2017年 02月 03日
詩【 深海の砂 ① 】
詩【 深海の砂 ① 】
この体内の
心という場所に深海はある
流れ出るはずだった波の雫は
長い歳月ずっと
外に流れ出ることもなく
深海となる
深海に蓄積された記憶の砂は
化石になることもなく
さりとて
深海の砂にもなれず
記憶の砂は
深い海となった場所で漂うのである
新たな記憶の砂となって
押し出されてきた粒子は
古びた記憶の砂を巻き込んで
流れることもなく
深い海の底で
ひたすら漂うのである
化石にもなれず
さりとて深海の砂にもなれずに
流れることもない深海で
ひたすら漂い揺らぎながら
新たな記憶の砂を
また 巻き込みながら
この深海で
by kazeumi-jun
| 2017-02-03 09:58
| 詩