詩【 遠き人に 】




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詩【 遠き人に 】



思ひが居残るよふに
ミンミンゼミの鳴く声が
分厚い雲の下で告げし
君らの ひとときの朝は


八月の残りを重ねては
想ひすら重ねるかのよふに
遠きひとと知れども
知れども
抑えし声は身代わりにならぬ


忘れじの想ひ深まれども
言葉にせぬと言いつつも
想ひだけ深まりつつ
行く先の夏が声を遮る


ミンミンゼミの鳴く傍らで
想ふ君や どこにいるやら
姿なき君を重ねつつ朝は


誰とは語らぬ名前すらも
居残るよふに鳴く君らの声の
奥の奥にしまいこめるなら
朝に鳴き始めたミンミンゼミと
重ねては飛びゆくだろうに


思ひが居残るよふに鳴く
ミンミンゼミの夏は過ぎていき
逢えぬと知りつつも
重ねし誰ぞの表情が
曇り空の下で思ひ浮かべるだけの
八月の朝は瞬く間に


君やどこぞで
ミンミンゼミを聞きしゆえは
ほんの少しなりとも
思ひ出すことはあろうか


遠きひとと知れども
知れども
逢えぬと知れども


朝は瞬く間に始まる

思ひが居残るよふに
ミンミンゼミの鳴く声が
分厚い雲の下で告げし
君らの ひとときの朝は


重ねし誰ぞへの想ひすらも
その鳴き声の中に

遠きひとと知れども
知れども
逢えぬと知れども


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by kazeumi-jun | 2017-08-10 08:05 | | Trackback