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詩【 朝焼け 】




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詩【 朝焼け 】



布地の繊細に織られた糸を
遮断されもせずに
微かな光は抜けて


朝焼けの光は訪れる
朝焼けだ
幾筋もの光が細い抜け道を
探すかのように

その手前で遮断しようとする
窓際の外側で生活の影をつくる


君は遮断されもせずに
抜け道を探してこれた光だね
こちら側の場所までも


手が届かぬと思うことは
なかったのかい?

朝焼けの光が細い抜け道を探して
ここまで来るには
どれだけの距離があったのか


何を重ね見るのか
布地の向こう側に映る朝焼けに
いつかは    それでも
待ちわびる朝の光は訪れると
いとも簡単に言うけれども


人の世の朝焼けは
難しい顔をして訪れようとする

人の世の朝焼けは
どちらともつかぬ顔をして


あゝ   朝焼けなんだね

こちら側にいる人へ
向かおうとする朝焼けの光が
いやに明るい顔をして彩り

繊細な胸の声を映し出すように
朝焼けの光は訪れる

そうか    それでも
待ちわびる朝の人がいると
君らは知るからこそなんだろう


『 来たよ   ここまで
その身体に光を注ぐために
その胸に心に光を与えるために
僕は   来たよ   ここまで
君の場所へ
待っていたんだろう    ずっと 』

光を帯びたままの
一枚の葉に朝露が滴り光る
夜露に濡れた葉が朝の光で


夜に落とされた露だったのか
誰もが知らぬことではあるけれども


待ちわびた朝が来る
朝焼けだ
朝の光が身体中に注ぐために


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by kazeumi-jun | 2017-09-09 07:32 |