詩【 招き寄せた夜 】




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詩【 招き寄せた夜 】



夕景になり始めた空は
ちぎれたような細い雲が
幾重にも重なっており
滲んだ色の隙間に
それぞれの思惑が見えている


あの重ねられた夕景の雲が
見えない街を隠すようにあり
隙間をぬって視線を放ったところで
見えはしないだろうけれども
確かにあるのだろう


次第に変わりゆく夕景の雲が
遠い見知らぬ街を隠すかのように
暗さを伴う色彩に移り変わる


見知らぬ街は
夕景の雲の滲んだ色彩の中へと
遠ざかる

隙間をぬって
西の空に覆い重なる夜の街が
こちら側で
ざわめく声と共に現れては
寒げな風が吹きつのる街の通りに


微かなオレンジ色を含む光の空が
ものも言わず滲んだ空をつくり
夜を呼び寄せる夕景の雲


滲んだ空の向こう側には
沈みかけた見知らぬ街が沈んでいく
夜を招く空が   私の視線の前で
返答することもない疑問を
投げかけてくる


私は返答することもない疑問を
投げかけられたまま夜に向かう


滲んだ空が夜を招いている



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by kazeumi-jun | 2017-11-16 16:41 | | Trackback