詩【 透明な視線 】




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詩【 透明な視線 】



人の視線は何処へ向けているのだろう
目の前の対となる胸から背中をこえて
幻想に描き出した鏡の中にだろうか

まるで透明な人格が
静けさの中で、陽炎の絵図を
つくりあげてしまうかのように


人の声は飛び交っている
それらは夏の姿なき、ひぐらしの
鳴き声が響きわたるかのように


華やかに見える視線は
対となる者へは流れず
機械の動きに合わせたままで
声は壁にぶつかりながら過ぎる


それらの声は何処へと向けて
何処へ流れていくのだろうか?

それらの視線は何処へと向けて
何処へ流れていくのだろうか?


聞こえぬ機械に吸い込まれ消える
さも、吸い込まれた先で
視線と視線が重なり合うかのように
透明な人格のまま
重なり合うこともなく消えていくと
微かな意識の中で忘れ去り過ぎる


人の視線は何処へ向かうのだろうか
対となる胸から背中を通り越して
壁に吸い込まれていく声の行方を
探そうともせずに


機械の中に、見えぬ視線を探しては
対となる声だけ囲みながら
消えていく様子さえ知らずに


今そこにあるのは透明な人格
吸い込まれ消えることすら置き去り
君らの声が行方不明のまま
君らの視線が行方不明のまま

ひたすら
透明な人格に視線を向けて
人は会話という名の幻想に生きて


人の視線は何処へ向けているのだろう
目の前の対となる胸から背中をこえて
幻想に描き出した鏡の中にだろうか


君ら自身が置き去りにした声と
視線の行き先さえ知らずに

ひたすら
透明な人格に視線を向けて
人は会話という名の幻想に生きて


それが透明な視線とは知らずに

それが、透明な視線とは知らずに


■【 作成日 】■
【 2018年2月13日 】



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by kazeumi-jun | 2018-02-13 07:35 | | Trackback