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詩【 真夜中の時計《 光と影 》】




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詩【 真夜中の時計《 光と影 》】



街路樹が西の空に光を送り出せば
やがて真夜中の時を刻む時計が
静けさの中から声を荒げ始める

それが夜というものだ


季節は春を刻むとき
その真後ろでは張り付くように
冬の過ぎ去った時計が佇んでいる


誰かが言った
《 春を待つ君、と 》
《 春が苦手な、ボクは 》と

春には似合わないから
不必要だとでも決めつけるのかい?

必要であるかないかを決めるのは
君ではない
光と影一対あるように
どちらも必要なことなのさ

光に影が必要なように
影に光が必要なように


冬が嫌いなわけではない

それならば何故に冬を描くことが
少ないのかと尋ねる人がいる

すると返答するだろう

《 今いる人生そのもの長い歳月は
氷壁のある万年雪だからさ
誰だって、寒げな真冬に佇んでいれば
否が応でも春を待ち焦がれるだろう
だからさ
冬を描くことが少ないだけさ 》

光があれば、その裏には影ができる
それは当たり前の話だろう
光と影一対あって当然だろう


だからと言って
冬を嫌いなわけではない
冬があるからこそ春が訪れるもの
当たり前の話だろう?

待ち焦がれる春は憧れという光を放ち
その裏側には影ができる

どちらも同じ光と影の一対

この日本の季節は春夏秋冬とある
季節時計は動くものだからこそ
だからこそ、季節はいいのだと
だからこそ、四季折々は光を得る

過ぎ去り始めた寒風は
笑いながら、そう言うことだろう


それは光の空を西の空に
送り出した夜でさえも
そういって、笑い飛ばすことだろう

春を待ち焦がれ、待ちわびることは
悪いことではないのだと

人生そのものに長い歳月の冬が
そこにあれば
春を待ち焦がれるのもまた
光と影一対のものだろう

冬がそこにあるから
春を待ち焦がれているだけさ
光と影一対のように


きっと、夜の暗闇が   君の話を聞いて
そこで夜が光と影を映し出しては
笑い飛ばしていることだろう

大した問題ではないのに、わざわざ
複雑にして考えたりしないことだよと
真夜中の時計は笑い飛ばすことだろう

その話を聞いた傍らの
真夜中の時計は笑い飛ばすことだろう

暗闇の中で笑い飛ばすことだろう


光に影が必要なように
影に光が必要なように

光は影があるからこそ、光というのだ

むしろ、その光だけでは
人間は存在すらしないだろう


■【 作成日 】■
【 2018年2月22日《 木 》】



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by kazeumi-jun | 2018-02-22 03:00 |