詩【 野スミレの春 】




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詩【 野スミレの春 】



華やかに咲き誇りし桜の花よ
出でたる木の根元に
誰を守りしものぞと問いかければ
笑うて何も言わぬが
それが桜の木の優しさとは知れども

無言のままで風すらも
通り過ぎてゆく


桜の木の根元に秘めやかに
ひっそり咲き誇りし
一輪だけの野スミレに視線はゆき
桜の花よりも気になりしゆへに
申し訳なく思ふと、我は告げる


なれども
桜の木は云うて寄こし

桜の花は誰もが見やるけれども
たった一輪だけの野スミレは
忘れ去られしゆへに
見ておくれではないかと


我は告げられた桜の木に
微笑み返しては、野スミレを眺めし


何も語らず
桜の木の下に根付く
たった一輪だけの野スミレの花よ

君の頭上に陽射しは当たり
光は注ぐなれば
わずかな春の時を満喫なさればと
野スミレに我は語りて


桜の木の下に根付く
たった一輪だけの野スミレの花よ

秘めやかに春を迎えて
春の時を満喫する姿に心を寄せる
小さき春絵図は、ここにありて


我が良き日の1日と思いつつ
秘かに立ち去る我が身の後ろに
野スミレ一輪の花笑みはありて


〜〜 jun * tatihara

*****

■【 詩作品の説明文 】■

以前のことですが、桜の花を見に行きましたら、桜の木の下に一輪だけの野スミレの花が咲いていました。

私は桜の花よりも、その一輪だけの野スミレばかりが気になり、野スミレの花を眺めて帰ってきたことの思い出を、この詩作品に託したものです。

ひっそりと、春を満喫するかのように、春の陽射しの中、一輪だけで野スミレは咲いていました。

写真はイメージであり、実際は桜の木の下に咲いていたのは【 一輪だけの野スミレの花 】でした。

その、一輪だけの野スミレの花が美しくて、心に残ったことを今でも忘れることなく覚えています。

私はその日、また改めて桜は眺めにこようと思い、一輪だけの野スミレの花だけを眺めて帰って来たのです。

その日、咲きほこる桜の花は、私の視線に入ることがなかったのです。

その日は、一輪で咲く野スミレだけに視線をあげたいと思った私がいました。

私はどうしても、せめて、その1日ぐらいは一輪で咲く野スミレの花だけに、私の視線をあげたかったのです。

そんな、小さな自然の春絵図です。

文章【 詩人/立原 純 】

■【 作成日 】■
【 2018年3月10日《 土 》】


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by kazeumi-jun | 2018-03-12 00:31 | | Trackback