2018年 05月 22日
詩【 波打ち際の鳥 】
詩【 波打ち際の鳥 】
鳥の声は言葉は風に乗る
風は揺らぎ波は白く追いかけて
波粒は風に紛れて雲の上をゆく
鳥の声は言葉は風に乗る
鳥はいう
いくら信じても繰り返し信じても
向こうからは信じてもらえず
届くことすらなき言葉は
いつも風に乗り波の上を
舞い上がる
声なき言葉なき、鳥は告げる
声は言葉は風に乗る
羽ばたく鳥は無言さの中で
風に載せるための、ひと声を鳴く
夕凪になる風は揺らぎ
波は白く粒は雲の上に舞い上がる
波粒を拾い上げた風は
舞い上がらせて言葉を
見えない場所へと運んでは
羽ばたく鳥が、ひと声を鳴く
鳥の声は言葉は風に乗る
やがて、鳥の言葉は
見えない風になって
羽ばたく波打ち際の鳥は、その羽根すらも姿さえも見えない風になる、夕凪が全てを消してゆく………
【 作成日 】
【 2018年5月22日《 火 》】
by kazeumi-jun
| 2018-05-22 06:30
| 詩