詩【 夜の反対車線 】




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詩【 夜の反対車線 】



秋の夜が見渡すかのような顔で
開け放っている窓硝子から
侵入している


冷たさ含む風の入り口が、この肌を突き抜けて心臓にまで侵入しては、幾度も血流を脅かすようで、周りくねる秋が踏みとどまる


窓硝子の向こう側から
人とは違う会話が聞こえては
街路樹の根元に居座るようで
鮮やかな声だけが
道路を横断していく


室内を見渡しながら歩いた風が
冷たさ滲む視線のまま
皮膚を突き抜けて
気がつけば、真夜中あたりの
無言さが絵図となる


踏み荒らした冷たさ滲む夜の風が、諦めもせずに居座り続けて

夜の風の傍らにいる我が身はと言えば、体に居残る微熱と咳が風に絡みつくように、ひたすら心臓を踏み荒らしては行き先不明にしようとする

視線を向けた先で冷たさ滲む夜の風が、行き所なき顔で通り抜けていく


秋の街路樹には夏から移行した音色が根付いたままで、季節を忘れ去られてはいるけれども、窓硝子から侵入した風の視線が冷たさを放って通り抜ける

過ぎた夏からのメッセージが
届くこともなく
いつの間にか秋の木々を練り歩く

肌の周りで秋が踏みとどまる



金色の秋だけが
懐かしそうな顔をして
意識の中で笑みを浮かべる

居座る金色の秋が、こちら側の意識に向かって手を差し出しては、さも懐かしげに笑みを浮かべて



意識の中で迎える金色の秋があり、体に居残る冷たさ滲む風が、心臓に挨拶回りしては、心臓を踏み荒らして、この意識と体はすれ違うように反対車線を行き、その真ん中で私は立っている


意識の中の金色の秋を見つめながら
愛しい金色の秋だけを見つめながら


互いに、すれ違うように反対車線をいく体と意識の真ん中で、私は佇む

心臓を踏み荒らす夜の反対車線



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詩【 夜の反対車線 】

【 作成日 】
【 2018年9月18日《 火 》】

【 作者名 】
【 詩人/鏡乃 琴禰 】


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by kazeumi-jun | 2018-09-18 01:25 | | Trackback