詩【 波打ち際の鳥 】




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詩【 波打ち際の鳥 】



鳥の声は言葉は風に乗る

風は揺らぎ波は白く追いかけて
波粒は風に紛れて雲の上をゆく

鳥の声は言葉は風に乗る

鳥はいう
いくら信じても繰り返し信じても
向こうからは信じてもらえず
届くことすらなき言葉は
いつも風に乗り波の上を
舞い上がる


声なき言葉なき、鳥は告げる



声は言葉は風に乗る
羽ばたく鳥は無言さの中で
風に載せるための、ひと声を鳴く




夕凪になる風は揺らぎ
波は白く粒は雲の上に舞い上がる



波粒を拾い上げた風は
舞い上がらせて言葉を
見えない場所へと運んでは


羽ばたく鳥が、ひと声を鳴く
鳥の声は言葉は風に乗る




やがて、鳥の言葉は
見えない風になって


羽ばたく波打ち際の鳥は、その羽根すらも姿さえも見えない風になる、夕凪が全てを消してゆく………



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【 作成日 】
【 2018年5月22日《 火 》】















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by kazeumi-jun | 2018-05-22 06:30 | | Trackback

詩【 風鈴は鳴る 】




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詩【 風鈴は鳴る 】



五月の涼風が夜の室内を通り過ぎる

絡め取る風鈴の音が
どこまで聞こえるのだろう

暗闇の夜の中で風鈴の音が響く



見えない音だけが意識の中に
打ち込まれていくように


まるで、記憶という意識の中に打ち込まれていくかのように


残したい記憶
残されたい記憶
共にありたい記憶


生きている証のように、映像すらない見えないものだけれども、そこで風鈴の音は鳴るのだと



記憶という中に残される全てのものが、映像と言葉と声とが混ざり合いながら交差していく



【 不確かさの数々を描いて
    あてどもない記憶の中に
    それらが残されたとしても
    忘れゆく数の多さが
    全てを打ち消すことだろう 】



風鈴の音が夜の中で
どこまでも流れていく
それらを
覚えている人は幾人いるだろう



【 不確かさの数よりも、共に覚えていてほしい人が1人だけいる
それだけで良いのだろう 】



この窓辺に吊るした風鈴の音は、君の心に届いただろうか?

記憶とはそういうもの

君に見せたかった
風鈴の音の中にある、見えないものの記憶という声のように



確かさの中で覚えていてほしい人がいてこその、記憶の中の生きた証

不確かさの中にある
数の多さなどよりも

確かさの中で覚えていてほしい人がいてこその、記憶の中の生きた証



そこに存在する1人が、見えないものの記憶を共に持っている〜〜
それだけで良いのだろう
人の言う生きた証とは



見ているかい?

風鈴は見えても
風鈴の音など見えはしない


見えないものの中にある、風が行き交う瞬間は確かにあったことを、君にだけ覚えていてほしい
それだけなのだと、君に
いつまでも共にありたい記憶として



風鈴の音は風に絡みとられて
どこまで流れていったのだろう

窓辺に吊るした複数の風鈴音色に
見えないものの声と心を映し出す時
いつまでも共にありたい記憶がある



風鈴は命ある音色として鳴る
命ある、この場所で
見えないものの記憶を奏でていく
命を繋ぐ、この場所で


【 作成日 】
【 2018年5月19日《 土 》】


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by kazeumi-jun | 2018-05-19 23:50 | | Trackback

詩【 朝の音 】




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詩【 朝の音 】



朝の音が聞こえ始めている
街路樹の通りにも朝日は当たり
車の騒音は流れる



夜の車の音は静けさに紛れて
流れては消えてゆき
夜の街路樹に吸い込まれては
波が引いては繰り返すように
静けさの中で
海辺の波音ごとき



朝の音が聞こえ始めている
途切れることもなく
車の騒音らしき流れが
時間を競り上げて

素知らぬふりで野鳥は囀る
街路樹の緑葉から羽ばたく鳥が



途切れることのない車の騒音は
照らし出された朝の光が
今朝の様子を描こうとして
窓辺のカーテンに影絵を作る



眠れずに過ごした行方を知りつつも、1時間で目覚めた朝の瞬きが、無意識に真夜中あたりを模索する

時間を競り上げてゆく車の騒音が、朝の光景を描こうとするとき

またもや眠れずに目覚めた夜を引きずりながら、朝の時間の中で浮き沈んでは意識だけが彷徨っている



窓辺のカーテンに
いつもの朝の光が影絵を作る

途切れることのない車の騒音が
野鳥の囀る声の中で
切り込みを入れながら
朝の光景は描かれていく

野鳥は知らぬ間に囀る影絵の外側
意識は朝の音に紛れていく


【 作成日 】
【 2018年5月14日《 月 》】



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【 YouTube/心花 】
【 cover/jpu2jin 様 】

▼▼【 皆様へ。】▼▼

■ 私は本来、少女時代から難聴気味のため、音量を最大限にしてアップしてありますので、それぞれ音量を調節して歌をお聴きください。
申し訳ございません。
















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by kazeumi-jun | 2018-05-18 15:02 | | Trackback

詩【 水滴の宝飾 】




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詩【 水滴の宝飾 】



陽射し溢るる光を浴びてもなお
花びらの中で一滴だけの雫を
まるで
光の宝物ごとく、君はいだき

もはや、水滴とは言わぬ
君だけの光の宝飾らしきもの



それらに
微かな光を受けている様子の
光の点が二つ
君が映し込んだ絵図が侵入し
誰ぞの繋ぐ想ひを抱えているのか


そう思ふのはどうしてだろう


物言わぬ中に繋がれしものの
秘かな花語りがあろうとて
不思議ではないだろう



君が大切にしてやまぬ
一滴だけの中に
繋がれし想ひが染まりゆき

その水滴が
いずれ、君の花の体内の
茎や葉となり
想ひが重なる日まで

君は花びらの上に抱きしめて
離さぬことだろう



やがて光の空気に吸い込まれたと、人は眺めて水滴の跡形を見るだろう


けれども、それらの物言わぬ中には君らの同化した想ひがあると、私は声もなく見つめることだろう



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by kazeumi-jun | 2018-05-13 03:35 | | Trackback




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詩【 扉の中で 】
《 ファンタジックストーリー 》



この体内という中には扉があり
両扉の真ん中に取っ手はある

両手に荷物を持っていたら
開くことがない両扉の取っ手
両手で開け放つ扉
その手で開いてごらんよ


そこには1人の人間が立っている

その人間が着ている洋服には
前ポケットが二つあり
左側の小さなポケットには
何が入っているのだろう?


そこには、心の左側の部分
閉じ込めてきた想いが
しまい込んだまま
置き去りなのさ


右側のポケットには
何が入っているのだろう?


簡単なことだよ
これから先の、憧れや未来への想いと
今という時間を生きるときの
メモ帳が入っているのさ


それだけ?
違うね

左側の小さなポケットの底には
誰も知らない、かつての私が
もう1人、その中で眠っている


右側の小さなポケットには
今を歩く人間の置き手紙


『 この手紙を読んだら
真っ先に
何も持たずに
両手を塞がずに
走ってきて 』

両手を塞いでいたら
この両扉の開け閉めができない
それだけさ

両手に荷物を持っていたら
どうやって
その人間をつかまえるの?


走る先は、どこでもない
置き手紙を読んだ人が知る


そんな体内という場所に
秘密の部屋はあって
その両扉の鍵は

置き手紙を受け取る人が
心の中に持っていることだろう


両扉の中には小さな窓があり
窓を覗き込んだ人が
秘かに持ち去っていったのだから

ここにはあるはずもない


その両扉の鍵こそが
全ての合図となることだろう


その両扉の鍵こそが
声を繋ぎ、言葉を繋ぎ
全てを繋ぐ鍵となるだろう

そのとき
左側のポケットに眠る
もう1人の人間を揺り起こして
ほしいのさ

その人間には
もう一つの合鍵があって
普段は使えない秘密の鍵

二つの鍵は一つになって
合図となることだろう



透明の鍵だから見えやしないさ
心で見るからこそ見えるのさ

心で見る鍵は
自然と見えてくるだろう
その人間ならば知ることだろう
両扉の意味でさへも
合図の意味でさへも
左ポケットに眠る人間すらも


その両扉の鍵こそが
全ての合図となることだろう


鍵は持ち去った人の心の中にある


【 ファンタジックストーリー 】

■【 作成日 】■
【 2018年3月8日《 木 》】



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by kazeumi-jun | 2018-05-04 17:23 | | Trackback